住宅や店舗の外壁では、「サイディングボード」というパネル上の建材が多く使用されています。サイディングボードは素材によって耐用年数は異なりますが、どの素材でも定期的なメンテナンスが必要です。
そこでこのコラムでは、サイディングボードのメンテナンスについてわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで、建物を健全に守るための参考にしてください。
そもそもサイディングボードってなに?
この項目では、サイディングボードのメンテナンスについて説明する前に、そもそもサイディングボードがどんなものなのかを解説していきましょう。
サイディングボードってなに?
サイディングボードとは、住宅などの外壁として使用されるもので、日本語ではパネル外壁材とも呼ばれています。サイディングボードが登場する以前は、モルタルなどを塗って壁を作るスタイルが多く見られました。
塗り壁には風合いのよさや継ぎ目がないことなどのメリットがありますが、施工する職人の技能で仕上がりに差がでることや、乾燥に時間がかかること、ひび割れやすいことなどのデメリットもあります。
一方サイディングボードは、板状に工場で成形されていて、施工が楽でコスト的にも安いことから、昭和の後期に入って使用頻度が増えていき、現在では外壁材の主流となっています。
サイディングボードのメリット・デメリット
サイディングボードは、工場でパネル製品として製造されたものを貼り付けていくことで外壁を形成できるので、塗り壁に比べると技能の差がでにくいというメリットがあります。また、単価が安く施工期間も短いので、建物全体の建築費用を抑えることが可能です。
さらに耐火性や耐久性があり、さらに素材や色合いなどの選択肢が多い利点もあります。このような理由から、サイディングボードは、現在、日本の住宅の多くに利用されているのです。
デメリットとしては、パネルをつなぎ合わせて作っていく工程上、シールをする必要があり、長く住宅を使用するときにシール部分のメンテナンスが必要になることが挙げられます。
また、サイディングの素材によっては、外壁塗装を定期的に行わないと、防水性能が維持できないこともあるため、注意が必要です。
サイディングボードのリフォームや張り替えについて
材質にも寄りますが、サイディングボードは、大きくいうと塗装や目地補修、サイディングボードの重ね張りや張り替えなどのメンテナンスが必要となる時期があります。以下で具体的に内容を解説します。
塗装や目地の補修
まず、塗装について解説します。サイディングボードでもっとも使用頻度が高い窯業系サイディングボードは、素材自体に防水性がありません。そのため、風雨や湿気にさらされる外壁として使用するために、塗料で防水する必要があります。
新築時は工場出荷の時点で塗装がされていますが、初期に塗ってある塗料の効果が落ちてサイディングボードの劣化が始まるのは、5~10年程度経ったときです。そのため、新築から5年目くらいで、一度塗装の劣化具合を、外壁塗装のプロに診断してもらうことをおすすめします。
塗装にかかる費用にはかなり幅がありますが、窯業系サイディングボードで120㎡程度の住宅であれば、50~75万円程度を想定してください。
また、サイディングボードはパネルをつなぎ合わせていく都合上、どうしても目地部分が発生します。目地の部分には水分の侵入を防ぐためにシーリングが施されますが、シーリング剤も年数とともに劣化するので、定期的なメンテナンスは欠かせません。
シーリング材のメンテナンスはメートル単位で見積もりすることが多く、700~1,200円/m程度が相場です。
サイディングボードの重ね張り
サイディングボードの劣化が激しくなければ、既存のボードの上から新しいボードを張るという手段もあります。既設のボードを剥がす工程がないため、張り替えるより安く済む方法です。
重ね張りは内容によって金額の幅がでますが、120㎡程度の住宅で60~200万円程度の予算が必要になります。
サイディングボードの張り替え
既存のサイディングボードに割れやひび割れがある場合は、全てを交換する作業が必要になります。この場合、剥がして撤去や廃棄する工程が発生するので、重ね張りするより価格的には高くなります。
環境や選ぶ素材によって金額は変わりますが、目安としては、120㎡程度の住宅で200万円以上かかるとお考えください。
まとめ
建物のサイディングボードがどんなものか、サイディングボードのメンテナンスについてなどを解説しました。建物をよい状態に保って長く快適に暮らすには、定期的なメンテナンスを欠かすことができません。適切な管理をするためにも、ぜひこの機会に正しい知識を手に入れてください。
埼玉県児玉郡にある「三ツ星ハウジング株式会社」は、住宅のリフォームや塗装を専門とする会社です。当社は今回ご紹介したサイディングボードの扱いに慣れていますので、塗装や張り替え工事をお考でしたら、ぜひお気軽にご相談ください。